当科の特徴
先進的医療技術の開発と標準的診療技術の確立への取り組み
1年生着率、1年生存率ともに100%という世界最高レベルの成績を維持している腎移植、腎不全を回避する上部尿路癌に対するアブレーション治療や腎癌に対する腎凍結療法(放射線科と協力)、中四国唯一のジェンダー(性別不合)センターを有しています。
また、体への負担の少ない(低侵襲性)医療の研究開発とその実践と標準化も当院の特色であり、特にロボット手術に関しては2010年に国立大学病院では初導入し、癌を中心にこれまでに約2000例という日本有数のロボット手術を行って参りました。ヨーロッパ・アジア初、世界第4例目のロボット自家腎移植や、日本初のロボット腎盂形成も行い、卓越した技術で世界をリードしています。
グローバルな広がりを見せる研究分野
研究面では、泌尿器悪性腫瘍グループ、腎移植グループ、内分泌・男性不妊・性機能・ジェンダーグループ、感染・結石・上部尿路内視鏡グループ、女性泌尿器科、膀胱機能グループにおいて研究活動をおこなっています。複数の研究テーマを持つことを推奨しており、複数の研究グループにわたり活躍している若手医師が多く存在します。
国際交流や海外留学も盛んで、近年の留学先としては、米国のクリーブランドクリニック、オーストリアのウィーン医科大学などがあります。
また国内留学では腎移植で東京女子医大に国内留学した医師が複数います。また留学生の受け入れも積極的に行っており、パラグアイやドイツ、中国、インドネシアをはじめとする世界各国から多くの留学生、医師を迎えています。
ブータンの首相を務めたLotey先生も就任前に4カ月、岡山大学泌尿器科で手術研修を行いました。
伝統の臨床共同研究
関連病院と協力連携した臨床共同研究が伝統であり、現在NPO法人OURGとして共同研究を続けています。
また岡山手術手技研究会を主催し好評を得ています。
- 限局性前立腺癌に対する各治療のQOL比較
- 進行尿路上皮癌に対するCDDP、Gemcitabine, paclitaxel併用療法
- 進行前立腺癌に対するDocetaxel, Estracyt, Dexamethasone併用療法
- 表在性膀胱癌に対するTHP術早期注入
- 腹腔鏡による後腹膜リンパ節郭清
- 膀胱全摘除後代用膀胱造設患者におけるQOL
- 性同一性障害患者に対する性別適合手術に関するQOL
- プロスタグランジンE1陰茎海綿体注射に関する自主臨床研究
- 泌尿器科手術に対する周術期感染阻止薬の検討
- 慢性前立腺炎の病因の解明
- 特発性腎出血に対する内視鏡治療
- 前立腺癌永久密封小線源治療に合併する排尿障害に対するα1受容体遮断薬の改善効果に関する研究
- 慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群における新しいバイオマーカーとしてのNGFの有用性に関する研究
- 『前立腺肥大症に伴う下部尿路症状(LUTS)に対するナフトピジルとシロドシンの臨床効果比較試験』:OURG 岡山大学関連病院との多施設共同研究
- 『前立腺癌永久密封小線源治療に合併する排尿障害に対するα1受容体遮断薬の改善効果に関する研究』:
- 『クリトリス血流と女性性機能との関連性に関する研究』
- 『OABを有する前立腺肥大症患者における新しいバイオマーカーである尿中NGF(Nerve Growth Factor)を用いた薬物治療の検討-タムスロシン塩酸塩の治療効果について-』:OURG 岡山大学関連病院との多施設共同研究
- 『女性過活動膀胱(Overactive bladder, OAB)患者における新しいバイオマーカーである尿中NGF(Nerve Growth Factor)を用いた薬物治療の検討-コハク酸ソリフェナシンの治療効果についてー』:OURG 岡山大学関連病院との多施設共同研究
- 『過活動膀胱ならびに骨盤臓器脱が女性性機能に与える影響に関する研究.』
- 『抗血小板薬内服継続下でのホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)の安全性と有効性の検討』:OURG 岡山大学関連病院との多施設共同研究
- 『酒石酸トルテロジンを用いた過活動膀胱を有する女性患者における性的QOLの検討』
- 『骨盤臓器脱と過活動膀胱―OABSS(Overactive Bladder Symptom Score)、ニューロメーターによる膀胱知覚閾値、尿中Nerve Growth Factor(NGF)による検討』:
- 『骨盤臓器脱患者のパートナーにおける性機能調査』
- 『腹圧性尿失禁手術の有効性,安全性の検討:TVT vs TOT: 多施設共同研究(OURG)』
- 直腸内大腸菌の薬剤感受性に関する研究
- 経直腸的前立腺生検におけるレボフロキサシン500mgの有効性に関する研究
- レボフロキサシン500mgの前立腺への移行に関する研究
基礎研究
- REIC遺伝子をもちいた尿路性器癌に対する遺伝子治療
- テロメライシンプロモーターをもちいた新規ウイルス療法
- 腎細胞癌患者におけるリンパ球STAT1発現と免疫療法の有効性との関連
- IL12をもちいた前立腺癌に対する免疫遺伝子治療
- 尿路バイオフィルム感染症実験モデルの構築と抗バイオフィルム剤の探索
- Chlamydophila caviaeによる新たな性器クラミジア感染症の疫学調査と診断および治療方法の確立
- 尿路感染症由来大腸菌のキノロン耐性とバイオフィルム産生能
- 大腸菌性バイオフィルムに対するクランベリー尿中代謝物の有効性評価
科学研究費、助成金(2023年)
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(A)]
細胞骨格ダイナミクスに基づく分子輸送制御システムの解明と革新的癌創薬への新展開
渡部昌実
日本学術振興会科学研究費補助金[若手研究]
乳酸菌バイオサーファクタントを用いた反復性/難治性膀胱炎の予防的治療の新戦略
岩田健宏
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
スタチンのMMP阻害による好中球浸潤を介した腎保護の証明
吉永香澄
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
骨髄由来免疫抑制細胞の抗癌免疫逃避機構の解明に基づく革新的癌創薬の探索
黄 鵬
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
治療抵抗性前立腺癌における癌化-ステロイドシグナルaxisの機構解明
小林泰之
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
間質性膀胱炎に対する究極的低侵襲治療の確立と病態制御の解明
渡辺豊彦
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
Oncolytic virus の多元的制癌性の解明と革新的癌治療への展開
植木英雄
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
腸内細菌叢の改善による反復性膀胱炎の新たな予防法と治療法の開発
石井亜矢乃
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
腎虚血再灌流障害の新規治療法の研究
荒木元朗
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
腫瘍局所代謝改変タンパク質を用いたエフェクター細胞疲弊解除機構の解明
定平卓也
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
ウェアラブルデバイスと体組成計を用いた女性骨盤臓器脱患者のフレイル合併頻度調査
小林知子
日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(C)]
制限増殖型アデノウイルスを用いた超低侵襲内視鏡治療の開発
枝村康平
日本学術振興会科学研究費補助金[国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A)]
腫瘍免疫逃避機構を標的とした次世代環状mRNAワクチンプラットフォームの創薬
黄 鵬
公益財団法人 武田科学振興財団 2023年度医学系研究助成(がん領域(基礎))
腫瘍免疫逃避機構を標的とした次世代環状mRNAワクチンの治療戦略
黄 鵬
「両備システムズ医学研究留学基金」2023年度上半期 海外派遣助成事業
定平卓也